個別指導塾と
集団塾の違いとは
働き方の特徴も解説

個別指導塾と集団塾では、授業スタイルだけでなく、教室運営の仕組みやビジネスモデル、求められるマネジメントスキルも大きく異なります。塾業界でのキャリアを考えるにあたり、それぞれの違いを正しく理解することが重要です。

このページでは、塾講師や塾運営の仕事に興味がある方に向けて、個別指導塾と集団塾の違いを解説します。

個別指導塾とは

授業スタイルと教室運営の特徴

個別指導塾は、1対1〜1対3など少人数での指導が中心です。生徒の学力や進度、志望校に応じて柔軟にカリキュラムを設定し、それぞれに合わせたサポートを行います。基本的に授業は「解説 → 演習 → フィードバック」の流れで進行し、学習内容の定着度に応じて進捗を調整します。

教室運営面では、講師の多くが大学生のアルバイトで構成されており、教室長はシフト管理や研修、指導品質の均一化に尽力します。一方で、生徒との距離が近く、保護者との三者面談や進路相談も日常的に発生するため、教室長が直接相談対応を担うケースが多いことも特徴です。

収益構造と運営課題

個別指導塾のビジネスモデルは「コマ数課金（授業数×単価）」が基本です。1コマごとの売上を積み上げていく形式のため、稼働率管理と講師配置の最適化が、教室長の手腕にかかっています。また、夏期・冬期講習などの講習提案による売上拡大も重要なミッションです。

向いている人の特徴

一人ひとりの生徒にじっくり寄り添いたい方には、個別指導塾が向いています。学力や性格、生活環境が異なる生徒たちに対して、個別のカリキュラムを一緒に考え、寄り添いながら伴走していくスタイルが特徴です。

目の前の生徒の変化や成長に喜びを感じるタイプの方にとっては、やりがいのある職場となるでしょう。

集団塾とは

授業スタイルと教室運営の特徴

集団塾は、1クラス10〜40人程度を対象とした講義形式の授業が基本です。学年やクラスごとにカリキュラムが統一されており、定期テスト対策や志望校別の受験対策を段階的に進めます。授業の完成度や緻密な学習プランが求められ、カリスマ性のある講師がブランドになることもあります。

教室運営の中核は、講師の質の高さと定期的な成績評価、クラス分け管理にあります。授業の満足度がそのまま継続率に直結するため、授業品質と進学実績の維持が非常に重要です。

収益構造と運営課題

集団塾の収益モデルは「月謝定額制」であることが一般的です。高い進学実績を維持しながら、春の入塾キャンペーンなどの新学年への募集施策を成功させることで、安定した売上の維持を目指します。

人気講師の存在が集客力・継続率に影響するため、講師の採用・育成・離職防止も重要な運営テーマとなります。

向いている人の特徴

集団塾の運営職は、教育サービスを仕組みで回す視点が必要です。限られた時間で成果を出すためのカリキュラム設計、志望校別のクラス編成、保護者説明会の企画運営、講師の育成、授業品質の管理など、さまざまな視点が求められます。

「教育の可能性を広げていきたい」「個別ではなく組織で子どもたちを支えたい」という志向を持つ方は、集団塾の運営でこそ力を発揮できるでしょう。